前回のブログ(「怒りの引き金」3月26日)について書きましたが、その対応法についてお話します。
認知症の人が攻撃的な言動をすると、介護者にも怒りが生じます。
まずは自分の気持ちを平静にすることです。
静かに、落ち着いて話すようにしましょう。
それでもカっときてしまうなら、数分間その場を離れ、深呼吸してください。
そのうえで、相手の怒りを抑えたり、
怒りの引き金を避けたりする対応をします。
事実ではないことを言われても否定せず、
「そうだね」
「つらかったね」
と言ってあげましょう。
してはいけないことを伝えるのではなく、してほしいことを明確にします。
例えば、
「台所にいってはダメ」
ではなく
「この椅子に座って」
と伝えます。
入浴や着替え、トイレなどの介助の場面では、焦らずに一つ一つ対応します。
認知症の人に同時に複数のことを伝えると、混乱させることがあるからです。
手伝う際は
「着替えますから手伝いますね」
と目的を伝えます。
普段やっていることの手順を変えてみるのも効果的です。
例えば、夕方に散歩で出かけた後に不機嫌になるなら、朝に散歩をするようにします。
気をそらすことも有効です。
「ちょっと外へ行きましょうか」
と散歩に誘ったり、おやつを食べたり、好きな音楽を流したり、手伝いを頼んだりするとよいでしょう。
会話では、相手の「過去」に焦点を当てるように心掛けます。
前夜にテレビを見た内容よりも、遠い記憶を思い出して話す方が本人にとって簡単で、ストレスが少ないことがよくあります。
怒りが生じるのは、認知症の人や介護者のせいではありません。
大切なのは、怒りをうまくコントロールしていくことです。
何が原因で、どんな工夫ができるのか、家族で一緒に考えてみてください。
「感情を 上手に誘導 してみよう」
アイゼン、心の俳句…。