「帰る徘徊」と家族対応について興味深い記事を読みました。
「帰る徘徊」には、認知症の人と家族の体験のいずれかが関わっているそうです。
認知症の人はいろいろなことができなくなり、失敗が増えます。
家族とのコミュニケーションもうまくとれなくなり、不安でさみしく、やるせない気持ちを体験するようになります。
一方、認知症の人と接する家族は、以前の親や配偶者の姿に戻ってほしいと願い、失敗や物忘れを指摘したり、𠮟ったりすることが増えていきます。
家族との温かい会話が少なくなると、認知症の人は孤立感を深め、混乱するようになります。
その結果、認知症の人にとって、目の前にいる妻や夫、子どもたちは以前の「温かい家族」ではなくなり、「ここは自分の家ではない」と思うようになるようです。
家族との心のつながりが切れてしまい、以前の懐かしい家族の元へ帰ろうとして、徘徊が始まるというそうです。
認知症ケアに取り組むある精神科医は、認知症の人の失敗や物忘れを家族が指摘したり、叱ったりすることを減らせば、徘徊や暴言、幻覚など、多くの症状は軽快し、介護する人の負担が減ると説く方もいます。
認知症になっても、失敗を指摘したり叱ったりしないで、見守りたいですね。
「失敗を 叱らず優しく 見守って」
アイゼン、心の俳句・・・。