認知症ケアと怒りの感情は切り離せない問題です。
同じことを何度言っても忘れてしまう母、世話になっているのに命令してくる父、財布を盗んだと泥棒扱いする義母、その他、失禁や徘徊、暴言、暴力など理不尽な状況に身を置きながら家族ケアをする介護者には、怒りの感情が必ず生じます。
怒りのコントロール法についてご紹介します。
第一は呼吸を整えること。
怒りそうになった時には相手から離れ、十秒ほど深呼吸をします。
興奮している神経は収まっていきます。
第二は理解と共感。
認知症患者は自分の言動をすぐに忘れてしまいます。
本人のせいではなく、認知症がさせているのだと理解することです。
第三は、大切な家族が認知症になっていく時に抱く悲しみを意識すること。
怒りは悲しみの防衛と言えます。
第四は自己主張に怒りを使うこと。
怒りを表すことで、介護に協力しない兄弟姉妹に大変さが伝わることは多々あります。
介護における怒りは「敵」ではありません。
誰もが持つ自然な感情です。
怒っていることを言語化して伝えることが大切です。
家族や介護スタッフに「私は怒っているんです、イライラしているんです」と最初に言ってから話を始める工夫も大切です。
認知症の親にも「お母さんがすぐ忘れてしまうことが悲しい、だから怒ってしまうの」
と言ってみるのも役立つかもしれませんね。
「感情を 言語化してみて 調整を」
アイゼン、心の俳句…。