ポジティブ心理学最後、五つ目の「達成感」についてです。
第一は介護で生じる感情を克服することです。
感情を客観的に理解するために「感情日記」を書くことをお勧めします。
見開きページを1日として、左ページにはマイナス感情、右ページにポジティブ感情を書きます。
介護から離れられる時間と空間を利用して、一日の介護を振り返ります。
右ページには「〇〇が笑ってくれてうれしい」「〇〇がよく寝てくれて昨日は楽だった」などと記します。
1週間したら右ページだけ振り返ってください。
自分の感情に客観的に付き合えているという達成感が生じます。
書いているうちに「最後までやり遂げた」といったほかの達成感も増えていくでしょう。
第二は「自分で主体的にやっている」「自分の生活は自分でコントロールしている」という「行為者性」を高めることです。
介護をやらされる体験から、主体的な体験へと変えるための工夫があります。
①やるべきことをリスト化する
②家庭内役割を明確にする
③介護の情報を集める
④介護専門職と上手に協力態勢をつくる
⑤休養を仕事と考える
⑥介護を受ける人の笑顔が増え、満足度が上がることを目指す
などです。
介護をやり終え、介護を受ける人が満足して眠りにつくとき、一日の達成感を感じていると思います。