認知症の方は新しいことを覚えるのが難しいようですが、昔のことはよく覚えていらっしゃいます。
認知症になる前に覚えた記憶は、脳に貯蔵されているからです。
記憶は感情と結びついているので、楽しい思い出は喜びや懐かしさ、安心などプラスの感情を引き出してくれます。
認知症の人が利用する施設に行くと、昭和の歌謡曲が流れていたり、童謡をみんなで歌ったりします。
皆さんの表情は穏やかです。
昔よく耳にした音楽によってプラスの感情が生じるからです。
毎日の介護に追われる家族は、認知症の人の「今」だけに注目しがちです。
なので、「忘れてしまう」「覚えられない」という困った状況ばかりに目が行き、落胆や怒り、不安などのマイナスの感情が引き起こされるのです。
認知症になると、日常生活を送る能力は落ちてしまいますが、心の中は豊かな思い出が残っています。
認知症の人と一緒に懐かしい「あの頃」を語り合ってみてはいかがでしょう。
「思い出で プラスの感情 引き出して」
アイゼン、心の俳句・・・。