前回のブログ(6月24日)のつづきです。
認知症が進行してしまった場合に問題となるのが、暴言や暴力、徘徊、妄想などその人のおかれた環境や人間関係、性格が絡み合って起こる「周辺症状(BPSD)」問題です。
しかし徘徊は、子供の頃に住んでいた家に帰ろうとしているなど、BPSDの背景には本人なりの理由があります。
それを解決しようと寄り添う対応が、症状の改善につながることも少なくありません。
その人の視点や立場を理解してケアをする認知症ケアの考え方です。
このような「非薬物療法」が認知症治療では非常に重要です。
認知症の介護年数は平均6,7年、中には10年以上という方もいます。
その間、介護者が孤立しないよう「誰かに相談すること」と「介護保険サービスを活用すること」をしてほしいです。
最近では地域に「認知症カフェ」など介護の相談や情報交換、勉強会ができる場があります。
こうした場に参加し、ぐちを言い合ったり、ねぎらいの言葉を掛けあう仲間がいるだけで心が晴れるものです。
また、デイサービスやショートステイなど介護保険サービスを活用して、息抜きや自由時間を設けることも大切です。
まずは認知症という病気について正しく知り、誰でもできる認知症予防を実践しましょう。
そして「もしや?」と思うことがあれば迷わず認知症専門医のいる「もの忘れ外来」に相談することで認知症の早期発見につながればと思います。