母が転んで倒れた今年の夏、父は最初、大きな病院に行かなくても大丈夫だろうと判断していました。
そこには「否認」という心の防衛反応が働いていました。
認知症の症状が現れた時も、この「否認」は機能します。
以前はできていたことが出来なくなる体験は、本人にとっても家族にとっても辛い事だからです。
母は家事もなんとかできているから大丈夫と父は思っていました。
ところが、転倒し病院で検査すると認知症がかなりすすんでいました。
年老いた親に対し、いつまでも元気でいて欲しいという気持ちは誰もが持つでしょう。
しかし、認知症を認めたくないという「否認」が働いてしまうと、記憶障害や生活能力の低下があっても家族は認知症だと気づかず、「どうしてできないの」「わざとやらない」などと怒りばかりが湧いてきます。
身体の病気やけがで入院したことをきっかけに、認知症が見つかるケースは多いのです。本人が「やれること」「やれないこと」を家族が定期的にチェックすることが大切です。
「掃除」「洗濯」「料理」「コミュニケーション」「買い物」「健康状態」など、ポイントごとに確認することが大切です。
家族が認知症になったと、誰もが認めたくありません。
早く現実を知ることが次への備えにつながります。
「否認をし 遅れる発見 気にかけて」
アイゼン、心の俳句・・・。