愛知県大府市にある国立長寿医療研究センターもの忘れセンターは、認知症患者を介護する家族向けに考案した支援プログラム「もの忘れ教室」が介護者の抑うつ症状の軽減や満足感の向上などの効果を持つことを明らかにしました。
まずモデル事例を基に認知症患者の言動を脳の障害、性格、生活歴、環境など六つの要素で分析。
そこで分かった患者の思いや望み、言動の理由を踏まえ、望ましい介護を考えます。
実践編として、参加者の事例について同様の分析を行い、自宅で実際にどのような介護ができるか、介護の悩みを解決できるにはどうするかをグループで話し合います。
次は、患者と介護者双方の心のケアを検討。
両者の話がかみ合わないなど、コミュニケーション上の問題を考えます。
介護者の悩みを出し合い、それによって介護者がどんなストレス反応を起こすかを理解します。
最後は、患者と家族を地域で支える環境づくりがテーマです。
「私の介護地図」という名の人間関係図を紙に書き、本音を言語化することで心の内にある思いを吐き出すとともに、自分の介護がどのような人間関係、社会的な構造の中にあるかを知り、どのような支援を求めていけばいいのかを理解していきます。
プログラムの効果は、教室に参加した人は、患者への親近感、自己成長感、介護への自発的な取り組みなどでも、良い結果が得られたようです。
このセンターはプログラムの普及を目指し、家族向けのほか、医療・福祉施設で同様のプログラムを実施する参考として専門職向けのコンテンツも用意したそうです。
日本は、患者や介護家族の支援は遅れており、科学的に確立した方法がなかったようですが、今回のこの根拠が得られた意味はとても大きいものです。
「介護者の 抑うつ軽減 立証でき」
アイゼン、心の俳句…。