認知症にはできるだけなりたくない、と考える方は多いかと思います。
家族もまた、親や配偶者が認知症になったとは思いたくありません。
物忘れが目立ったりしても、家族は「〇〇ができているから大丈夫だろう」「年だから仕方ない」と考えます。
つらいことに出合うと心の「否認」が働くからです。
心の中で「言い訳」をして病気を認めないのです。
でも、それが受診を遅らせ、症状をさらに進ませることになります。
認知症は進行すると、見えないものが見えるといった「幻覚」、物を盗まれたと思い込むなどの「妄想」、感情をコントロールする力が低下して怒りっぽくなる、などの症状が現れます。
症状が目立つようになってくると、本人に症状への自覚が乏しくなり、受診に抵抗するようになります。
何とか受診できた時には、手に負えないほどに悪化していることも多いのです。
自分で日常生活ができるうちに病気に気づけば、進行を抑える薬を飲めますし、脳を刺激する活動に参加できます。
早くから介護サービスと関わることで、介護拒否といった事態も避けられます。
介護する家族が心に余裕を持つには、なるべく早く認知症を見つけることが肝心なのです。
自覚がある時は、本人も家族も「認知症ではない」と言い訳せず、専門医を受診しましょう。
「否認せず 早めの受診で 対応を」